「あれもやりたい、これもやりたい」そう思って手を広げた結果、全てが中途半端になっている。限られたリソースの中で、全てに手を出すことは不可能です。成功する企業は、「やらないこと」を明確に決めています。
なぜ「やらないこと」を決めるべきなのか?
リソースは常に有限
中小企業の最大の制約は、リソースです。人、時間、資金、全てが限られています。その中で、「あれもこれも」と手を出せば、全てが薄まり、競争力を失います。
集中することで、圧倒的な強みを作る
逆に、限られた領域に集中すれば、その分野で圧倒的な強みを築けます。大手企業が手を出せないニッチな市場で、No.1になる。これが、中小企業の勝ち筋です。
実例: Appleの「やらないこと」リスト
Appleの戦略
Appleは、世界で最も価値のある企業の一つですが、製品ラインナップは驚くほどシンプルです。iPhone、iPad、Mac、Apple Watch...数えるほどしかありません。
一方、競合のSamsungは、数百種類のスマートフォンを展開しています。しかし、Appleの方が圧倒的に利益率が高い。なぜか?集中しているからです。
スティーブ・ジョブズの言葉
「イノベーションとは、1000のことにNoと言うことだ」— Steve Jobs
「やらないこと」を決める3つのステップ
ステップ1: 全ての施策をリストアップする
まず、現在実施している全ての施策を書き出しましょう。
- SEO対策
- リスティング広告
- SNS運用
- 展示会出展
- ウェビナー開催
- ...etc
ステップ2: 各施策の「成果」を測定する
各施策について、以下を測定します。
- 投下リソース: 人×時間、費用
- 獲得リード数: 何件のリードを獲得したか?
- 成約数: そのうち何件が成約したか?
- ROI: 投資対効果はどうか?
ステップ3: 下位30%の施策を「やらないこと」に
効果が低い施策は、思い切って「やめる」決断をしましょう。そのリソースを、上位の施策に集中投下します。
実例: 製造業C社様の場合
製造業C社様(詳細はこちら)は、海外展開を目指す際、「全ての国に営業する」のではなく、「欧米の医療機器メーカーのみ」にターゲットを絞りました。
その結果、18ヶ月で売上1.8倍を達成。集中戦略が、圧倒的な成果を生み出しました。
「やらないこと」リストの作り方
具体例
以下は、ある企業の「やらないことリスト」の例です。
- ❌ 全ての業界をターゲットにしない → 製造業のみに集中
- ❌ 全てのSNSを運用しない → LinkedInのみに集中
- ❌ 全ての問い合わせに対応しない → ターゲット外は丁重にお断り
- ❌ 全ての機能を開発しない → コア機能のみに集中
「やらないこと」を決めるのは勇気がいる
「機会を逃すのではないか?」という不安があるでしょう。しかし、全てに中途半端に手を出す方が、はるかにリスクが高いのです。
まとめ: 戦略とは「捨てること」
戦略とは、「何をやるか」ではなく、「何をやらないか」を決めることです。
限られたリソースを、最も効果の高い領域に集中させる。その勇気ある決断が、あなたの事業を成功に導きます。